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独特すぎ?グアルディオラ監督の特徴的な戦術・規律まとめ。シティでもさっそく導入

      2017/09/12

guardiola

現在マンチェスターシティの監督を務めるペップ・グアルディオラといえば、これまで多くのタイトルを獲得してきただけでなく、これまでになかったような新しい独自のサッカー戦術を導入してきた監督としても有名です。

かなり独特なやり方であるだけに反発する人が多いのもたしかだけど、周りが驚くようなサッカーをした上で、結果もしっかり残しているのは素直に凄い。多くの選手や監督も言っているように、世界最高レベルの監督であることは間違いないと思います。

 

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ただ、監督として良いことか悪いことかは難しいところだけど、本当に大事にしているのは
ある意味、1試合・1シーズンの結果よりも、良いサッカーを追求すること、良い集団・クラブであることなんじゃないかと思います。それができれば自然と結果はついてくるという考え方なんじゃないかと。

もちろん、試合中はかなり熱くなってるし、勝利へのこだわりも強いとは思うけど。

でも、サッカーを観る側からすれば、結果だけじゃなくて面白い内容を観たくて試合観戦するわけなので、グアルディオラのサッカーはかなり興味深く面白いです。

 

そんなグアルディオラの特徴的な戦術や規律などを、分かる範囲でまとめてみました。

*内容は、これまで見てきた試合や、サッカー本(主に「戦術リストランテ 」など)を参考にしています。

 

関連記事)マンチェスターシティ2017-2018の予想スタメン・フォーメーション・移籍新加入選手まとめ

 

 

1)前線からのプレッシング

守備面での特徴は、前線からの激しいプレッシング。相手のディフェンスラインやGKまで、全員で連動してどんどんプレスにいきます。

 

特にバイエルンでは、ボールが入ったところにプレスにいくのではなく、対面する相手の前に入ってパスコース自体を切るというかなり積極的なプレスも行っていました。

相手を常に視野に入れていないので、大きなボールで裏を抜かれるリスクもあるプレッシングだけど、ハマった時は相手は本当にパスの出しどころがなく、苦し紛れにボールを蹴るしかないという状態に。

そして、もし大きく蹴ったボールが上手く裏に抜けたときには、GKのノイアーが思いきり飛び出してきて対応するというやり方。ある意味、ノイアーのようなスイーパーGKがいるから成立したプレッシングともいえるかもしれません。

*バイエルン(グアルディオラ監督時)のプレッシング動画↓

 

2) 5秒ルール

1のプレッシングに内容は近いけど、ボールを奪われたらすぐに奪い返す、というのを徹底しているのも大きな特徴。

 

その中でも、バルセロナ時代には「5秒ルール」というのがあったといわれており、これはボールを奪われたらとにかく5秒間は全力でプレスにいくという約束事。

5秒と決めていれば、もともと守備意識が高くないアタッカーでもやりやすいし、相手も全力で囲まれると丁寧につなぐことが難しく、苦し紛れに蹴ってしまうことも多い。

そしてもし5秒のプレスで奪いきれなかった場合は、守備体型を立て直して後ろに下がるというやり方。

 

バイエルンやマンチェスターシティで具体的に秒数まで指示しているかは分からないけど、奪われたらすぐに奪い返す、という意識はバルサ、バイエルン、シティと、どのチームでも重要視されています。

 

3)キーパーを含むポゼッション

ポゼッションというと、グアルディオラのサッカーのいちばん強いイメージかもしれません。

とにかく適当に蹴ってボールを相手に渡してしまうことを嫌い、ボールを持ってからゴールするまで、すべて自分たちで完璧にコントロールするというのが究極の目標。

そのため、GKにも足元の技術・パス精度を求めるのは有名な話。
攻撃が行き詰まったときは、ボールを奪われるぐらいなら平気でGKまでボールを戻し、もう一度やり直すという方針のため、GKもパス回しに加わる機会が多くなります。

 

ただ、「何も考えず、ただ横にパスを出しているだけのボール回しは嫌いだ」とも言っているように、単純にボールを回すだけじゃなく、意志を持ったポゼッション・組み立てを目指し、そのために多くのパターンを考え用意しているようです。

「私の仕事は選手たちをファイナルサード(ゴール前)まで連れて行くこと。そこから先はアタッカー陣が才能を見せるときだ」というコメントもしていました。

そのための一つとしてあるのが、次の(4)の試合中のシステム変更です↓

*バルセロナ(グアルディオラ監督時)のボールポゼッション動画↓

 

 

4)試合中のポジション・システム変更

たぶん最もグアルディオラ独自の特徴といってもいいのが、攻撃時・守備時でシステムというか選手がポジションを大きく変えること

それも、ひとつのパターンだけじゃなくて、相手によって、また展開によっても柔軟に変更するため、相手はかなり対応が難しくなる。

 

逆に、パスミスなどからボールを奪われて攻守切り替えの展開が早くなると、自分たちもある意味守備時の体型を崩している状態のためバタバタしがちなのが弱点。
そのため全員に、簡単にミスをしない技術の高さが求められるサッカーであるともいえます。

具体的なポジション変更は、例えば下のような形↓

センターバックに落ちるアンカー&ワイドに開くCB

system1

ビルドアップのときに、中盤アンカーの選手が最終ライン中央に降りてきて、組み立ての中心になる形。
2枚のセンターバックは、通常のサイドバックぐらい大きくワイドに開く。

バルセロナではブスケツ、バイエルンではシャビアロンソやビダル、シティではフェルナンジーニョがさっそくこの動きをやっています。

バルセロナがやっていることで有名になると、他にもこの形を行うチームは増え、いまではだいぶ一般的になっていると思います。日本のJリーグのチームとかでもこの形をやっているのを観ることがあります。

ボランチの位置に入るサイドバック

system2

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バイエルンにいってから新しく始めた戦術で、シティでも導入している形。

ビルドアップのときに、中盤アンカーの選手が最終ラインに落ちてくるのは同じで、そのときに両サイドバックが、中に入ってきて通常のボランチの位置に入る

基本システムは4-1-4-1(4-3-3)だけど、このときは3-2-4-1みたいになっていて、2の部分に両サイドバックが入っている状態。

 

サイドバックが中に入ると相手のサイドハーフも中央に寄ってくることで、味方のウイングの選手のためにスペースを作ることができ、1対1で勝負させやすくなる。
(サイドバックがウイングの近くに寄ってくると密集して詰まりやすい)

バイエルンではリベリ―、ロッベン、ドグラスコスタ、コマンら突破力のあるサイドアタッカーがいたし、シティでも昨季まで不調だったスターリングがサイドのスペースを得て躍動しています。

また、サイドバックが中央に絞って残っているため、カウンターを受けたときの対策にもなっているようです。

その他、中盤に上がるCB&サイドに落ちるインサイドハーフ、など

それ以外にも、ビルドアップ時にセンターバックの1枚がボランチの位置に上がったり
そのときに中盤の選手がサイドバックの位置に降りていったりなど、とにかく1人の選手が試合や展開によって多くのポジション変更を行います。

 

これらのポジション変更が、いつも全部が全部上手くいっているわけではないけど、相手チームによって大胆に戦術を変えていく姿勢は凄いと思います。実は無策な監督って結構多いと思うし。

選手は大変だと思うし、新しいチームになると浸透するまで時間はかかると思うけど、だからこそグアルディオラはいわゆるサッカーIQの高い選手を好んでいるんだと思います。

例えばバイエルンのラームやアラバあたりはこういうポジション変更を前向きに楽しんでやっていた印象。ラームに関しては、試合中自らグアルディオラにシステム変更を提案しているようなシーンもありました。

 

5)コンバート

4のポジション変更を行う上でも、選手に必要になるのが複数ポジションをこなせる力

例えばサイドバックはボランチ的な役割も任されるし、逆に中盤の選手は最終ラインに下がってのプレーも求められる。

その中で、グアルディオラが積極的に行ってきたのが選手のポジションコンバート、というか複数のポジションでの起用

 

例えばバイエルンのアラバやラームはもともとサイドバックの選手だったのが、中盤やセンターバックで使われたりしていたし、それ以外にも、ミュラーやドグラスコスタをインサイドハーフで使ったり。試合によってはシャビアロンソもセンターバックで使って、本職のCBが1人もいない、ゼロバックともいえるシステムのときもありました。

 

これらに関しては、選手の本来いちばん得意なポジションで起用するべきだという批判もあったようです。

でも、例えばアラバのセンターバックは通常のセンターバックとは違って、攻撃の時には中盤まで上がって実質3バックになるようなシステムだったり、ミュラーのインサイドハーフも攻撃時には2トップになったりしていたし、単純にフォーメーション図だけ見て言えるような感じではなかったと思います。

 

プレーの幅を広げた選手が多いことも間違いないし、複数のシステム・ポジションを移動する戦術にあわせて選手の技術レベルも上がると思います。上げざるをえないというか。

もちろん、各ポジションにそれぞれスペシャリストを置くというやり方も一つだと思うし、バイエルンの場合は選手のタイプ的にもしかしたらそっちのほうが強かったのかもしれないけど。

 

6)食事制限

戦術以外でも、チーム管理に強いこだわりを持っているといわれるグアルディオラ。

例えば、体重管理にはかなり厳しく、基準を満たしていない場合はチーム練習に参加させず個人トレーニングで身体作りをさせるという徹底ぶり。

 

また、試合のあと全員でそろって食事をするなどの決まりもあるようです。

これまでプレミアリーグでは、試合後にロッカールームでピザなどのジャンクフードを食べるのが当たり前の習慣になっていたようで(どっちかというとそれに驚いたけど)、シティも同様だったけど、それを廃止。代わりに全員そろって身体に良い食事を摂っているようです。

 

7)情熱(ハードワーク)

グアルディオラは戦術オタク的な感じで語られることも多いし、実際そういう面はあると思うけど、実はグアルディオラがまずいちばんに重要視しているのは、情熱を持ってサッカーに臨みハードワークすること、のようです。

 

本人自身、試合中の動作を見てもめちゃくちゃ熱い監督であることが分かるし、シティに来たときも、選手たちに向けて「理想のプレーをするのに時間がかかるのは仕方ないが、情熱を持ってプレーすることは今日からすぐにできる」というようなコメントもしていました。

実際、トレーニングでもグアルディオラが熱く指導している様子が観られます。シティでの初日のトレーニング動画を見たけど、初日からこんな感じでやるのかと熱さにちょっと驚きました。

ただ一方で、遊びの要素も入れているみたいで、選手たちにはかなり笑顔も見られるので、雰囲気作りは上手い監督に思えます。

*グアルディオラのマンチェスターシティ初日のトレーニング映像↓

おそらく、グアルディオラが選手に求めるのは、大きく分けると
ボールスキルサッカーIQ(ビルドアップのセンスや複数のポジションをこなせる能力など)、そして情熱(ハードワーク)なんだと思います。

どのポジションであってもどんな選手であっても最低限それは必要で、ヤヤトゥーレが外されているのは、明らかにハードワークが欠けているからだと思います。あと最近はボールを持った時でさえ以前のような怖さはなくなってきたので、やっぱり年齢的にだいぶ落ちてきているのかもしれないけど。

 

以上、長くなってしまったけど、グアルディオラの戦術などの特徴についてでした。

おそらくこれまでそうだったように、今後マンチェスターシティでもまた新しい戦術も試していくはず。シティの場合はバルサ・バイエルンのときに比べると完成まで時間はかかりそうだけど、楽しみです。

>> Amazonーグアルディオラ総論

 

 

 

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